山形南のU18日本代表候補F斉藤諒馬(2年)がチーム最多24得点で有田工(佐賀)を下し、3年連続の16強に導いた。次戦勝てば準々決勝で王者明成とあたる確率が大。190センチと長身の斉藤は、怪物・八村塁(3年)打倒に闘志をみせた。

 八村待ってろ! ライバル心をむき出しにした山形南の斉藤がコートを制圧した。190センチ、86キロの屈強な体でゴール前の相手をなぎ倒す。第2クオーター(Q)だけで14得点をたたき出すなどチーム最多24得点で、10リバウンドをむしりとった。「前半は苦しかったけど走って点とれた。先輩たちが動いてくれて、マークが薄くなった」と振り返った。

 屈辱の敗戦からはい上がってきた。昨年の3回戦で明成に76-121の45点差で敗れた。斉藤は1年生ながら八村をマッチアップした。「体が強いし、リバウンドもすごかった。チームとしてまとまっていた」。その大敗以降、山形南伝統の「オールコートプレス」に磨きをかけるために走り込んだ。

 1日4時間の練習のうち1時間をフットワーク練習にあて、足腰を鍛えた。この日は26分49秒の出場で縦横無尽に駆け回り、進化を証明。「ウチは走らないといけない。南高の伝統」と胸を張る。今日26日の八王子学園八王子との3回戦に勝てば、準々決勝で明成とぶつかる可能性が大。八村対策については「内緒です」と煙幕をはった。

 ただ、その前にも難敵が立ちはだかる。八王子学園八王子には同じ2年生で身長204センチのセネガル人Cゲイがいる。「体をぶつけて(ゴールに)近づけないようにしないと。先輩とやるのは最後なので、下級生でも自立できるよう成長していきたい」。進化した斉藤が、去年の忘れ物をとりに行く。【高橋洋平】

 ◆斉藤諒馬(さいとう・りょうま)1998年(平10)9月7日、山形・河北町生まれ。溝延小1年からバスケットを始め、河北中3年でジュニアオールスターに選出。山形南に入学後は、U18日本代表候補に選ばれた。190センチ、86キロ。家族は両親、兄、祖父母。血液型O。