3連覇を狙う第1シードの明成(宮城)が、八王子学園八王子(東京)の挑戦を85-72で退け、3年連続5度目の準決勝進出を決めた。

 前半、明成はエース八村塁(3年)が16点を挙げるなど46-27と大きくリードした。楽勝ムードかに見られたが、第3Qに八王子学園八王子が猛反撃を開始する。多田武史(3年)の3本を筆頭に、3点シュート6本を決めて32点を奪い、勝負の行方は分からなくなった。

 59-59の同点で迎えた第4Q。八王子学園八王子は多田がまた3点シュートを決め、62-59と試合開始直後以来のリードを奪う。しかし、王者・明成は三上侑希(3年)が落ちついて3点シュートを決め、逆転。八村のシュートも決まって点差を広げ、粘る相手を突き放した。

 八村は「後半出だしが悪かったが、踏ん張れた。同点からは、みんなで落ちついてと声をかけてプレーした。こういう戦いをずっとしてきたので、その経験が生きた」と話した。

 佐藤久夫コーチ(66)は「前半は予想より良い展開で、危機感が薄れた。同点の時、頭の中が真っ白という選手もいたが、多くは辛抱しようという気持ちだった。鍛えた甲斐があった」と、慌てなかった選手たちを評価した。

 そして、明日の準決勝については「汗もたれて、においもついて(東京体育館は)ホームコートになった。1歩前に進んだゲームができると思う」と、この日の辛勝を糧に決勝進出を狙う。