10度目の優勝を狙う世界4位のラファエル・ナダル(31=スペイン)が絶好調だ。3回戦で同63位のニコロズ・バシラシビリ(ジョージア)に6-0、6-1、6-0でわずか1ゲームしか許さない完勝で16強に進出した。この勝利で4大大会と国別対抗戦デビス杯を合わせた赤土での5セット試合では98勝2敗と驚異的な勝率を誇っている。

 ナダルが強い。ただ、いくら強いといっても、5セット試合で1ゲームしか失わないのは非常にまれで、ナダルの好調さがうかがわれる。「最高の試合だった。ミスなんか全くしない感じだったし、決定打をたたき込めた」と自信を深めた。

 昨年は左手首の故障で3回戦で棄権を強いられた。全仏12度目の出場で、4回戦以前に負けたのは初めてだった。その後、ウィンブルドンは欠場。10月の上海大会を最後に、ツアーから離脱した。ケガがあまりにも多く、限界説もささやかれた。

 今年に入って見事に復活した。1月の全豪では、決勝でフェデラーに敗れたが、14年全仏以来の4大大会決勝進出。得意の赤土シーズンに入ると、モンテカルロから17連勝。全仏前哨戦の赤土で1敗しかせず、本番に合わせた。

 今大会で昨年の悔しさを晴らす。今年は持ち味の粘り強いストロークと軽快なフットワークが光る。第1シードのアンディ・マリー(英国)や2連覇を狙う第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が序盤戦から苦しむ中、1回戦から3試合連続のストレート勝ちと安定感は抜群だ。

 3日の31歳の誕生日を自ら前祝いする快勝で4回戦に進み「ベストな試合ができた」とご満悦。「明日(3日)は特別な日。レアルも勝てばいい」とサッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝に臨む母国スペインのRマドリードへエールも忘れなかった。【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 4日午後5時55分から。5日午前0時から。WOWOWライブ。生中継。男女シングルス4回戦ほか。