金メダルペアが引退危機から完全に脱した。

 バドミントンの五輪、世界選手権に次ぐスーパーシリーズのオーストラリア・オープンに出場した日本代表が26日、羽田空港に帰国した。女子シングルスはリオデジャネイロ五輪銅メダルの奥原希望(22)、女子ダブルスは同五輪金メダルの高橋礼華(27)松友美佐紀(25=以上日本ユニシス)組、男子ダブルスは園田啓悟(27)嘉村健士(27=ともにトナミ運輸)組が優勝。日本勢のスーパーシリーズ3種目制覇は初めてだった。

 日本勢が史上初の快挙を成し遂げたオーストラリア・オープン。金メダルペアの「タカマツ」にとっても価値ある優勝になった。帰国直後の羽田空港で、高橋が衝撃の言葉を口にした。「正直、いつどこで引退してもおかしくないとの気持ちだった」。栄光の五輪後、燃え尽きというか、やり切った感覚が抜けきれずにいた。「モヤモヤがずっとあった」という。

 転機は前週インドネシア・オープン。中国ペアに敗れて初戦敗退したことで、逆に切り替えることができた。「純粋に中国ペアに勝ちたいとの気持ちが戻ってきた。それまではどこかに“五輪で勝ったからいいや”との思いがあった」。松友とも話し合い、五輪前のような貪欲な気持ちでオーストラリア・オープンに臨み、優勝を勝ち取った。

 8月の世界選手権(21日開幕、スコットランド)では、日本勢として40年ぶりとなる女子ダブルス優勝が期待される。最強ペアの準備は整い始めている。