10年バンクーバー五輪フィギュアスケート男子銅メダルの高橋大輔氏(31)がスポーツとアートの架け橋になる。28日、横浜美術館前で現代アートのイベントに参加。現代アートに関しては、とっつきにくい印象を持っていたが「新しい感性を発見できた」と、フィギュアスケートにも似た部分を発見したという。

 一見、複雑でわかりにくいイメージもある現代アートだが、個々の受け手がさまざまな思いを自由に抱けばいい。そこに、高橋氏は自らが人生を懸けてきたフィギュアスケートに共通点を見いだした。「フィギュアスケーターは1年を通して、ショート、フリープログラムと2つの作品をお見せする。作り上げる立場が考えたものを、(観客が)どう受け取るか。どちらも正解」と感性重視の点で、フィギュアと現代アートの近さを感じた。

 8月から横浜美術館で現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2017」が開催されている。次回開催は3年後の20年。この日は子供たちに、3年後の「みらいチケット」を配布した。20年といえば、ちょうど1000日後に迫った東京五輪がある。「海外からもたくさんの方がいらっしゃる。五輪だけでなく、横浜美術館でも国際交流ができればいい」と話した。

 平昌五輪開幕も、あと4カ月を切った。「ハイレベルなテクニカルを入れて、表現する。僕らの時代より大変だが、平昌では記憶に残り、語り継がれる作品を披露してほしい」と最後は現役選手にエールを送っていた。