女子団体追い抜きで高木美帆(23=日体大助手)高木菜那(25=日本電産サンキョー)菊池彩花(30=富士急)で臨んだ日本が、2分53秒88の世界新記録で優勝した。11月のW杯第1戦で出した2分55秒77を更新し、同種目は今季2戦2勝で昨季から5連勝。目標の平昌五輪での金メダルに向け、勢いを加速させた。W杯3連勝を目指した女子1000メートルの小平奈緒(31)はカーブの出口で転倒し、2分5秒88で最下位の20位だった。男子団体追い抜きは2位に入った。

 日本が再び世界を驚かせた。8年ぶりの世界新を出した第1戦から佐藤と菊池を交代。この試合に向け3人で滑りを合わせたのは1回だけという「ぶっつけ本番」でも、他国に力の差を見せつけた。エース高木美が先頭でスピードに乗ると、菊池、高木菜が丁寧につなぎラップを維持。最後は高木美のスピードに食らいつき、勝利をつかんだ。ゴール時の会場のざわめきとは裏腹に、3人の喜びは控えめ。記録が出やすい高地でのレースに、高木美は「もう少し出したかった」。高木菜も「あ、こんなもんか」。さえない言葉に意識の高さがにじみ出た。

 層の厚さがチーム力を引き上げた。糸川コーチは「美帆がベースにはなるが、その時コンディションの良い3人を使う」と競争心をあおる。集団の中で滑る能力が高い高木菜、14年ソチ五輪にも出場した経験豊富な菊池、最年少で勢いのある佐藤、体調不良で帰国中の実力者押切。充実の戦力の中でのメンバー争いが、好循環を作り上げている。

 世界記録の連発に、金メダルへの期待はさらに高まる。右足の大けがの影響で同種目で約2年ぶりの出番となった菊池は「記録を出してもそこで終わらないし、上にいきたい気持ちをみんなが持っている。すごく良いチーム」と力を込めた。内なる戦いの先に、五輪での歓喜が待っている。【奥山将志】

 ◆団体追い抜き 3人でチームを編成し、2チームがリンクの対角から同時にスタートする。空気抵抗の大きい先頭を入れ替えながら女子はリンクを6周(約2400メートル)、男子は8周する。1人あたりの先頭の回数や隊列の順番にルールはなく、3人のうちで最後にゴールした選手のタイムで競う。各チームともメンバーを4人まで登録でき、レースごとに3人を選ぶ。