男子バスケットボール東海大の佐藤卓磨(22=東海大四)がBリーグ滋賀レイクスターズ入りを決めた。5日、クラブが特別指定選手契約を発表した。8月に開催されたユニバーシアード日本代表の主力。来年1月上旬に合流する身長195センチの道産子フォワードが、抜群のシュート力と豊富な運動量を生かし、現在西地区3位と好調なチームに、さらなる勢いをもたらす。

 未来の海外挑戦を視野に入れる佐藤が、プロキャリアのスタートに今季就任のショーン・デニス監督(52)率いる滋賀を選んだ。「育成型の監督の下でひと回り大きくなって、将来はアメリカや、監督とつながりのあるオーストラリアでもプレーしたい」。Bリーグ4クラブからのオファーを熟考した上で、入団を決めた。

 同監督の手腕にひかれた。高橋耕陽(23=札幌日大)ら若手選手を積極的に起用。昨季西地区最下位チームを現在、中位まで引き上げた。過去にオーストラリアなどで最優秀監督賞を受賞。昨季優勝した栃木のアシスタントコーチを務めていた指揮官の存在が、クラブ選択の決め手となった。

 無名だった中学生時代、知人のすすめで東海大四(現東海大札幌)の練習に参加した。佐々木睦巳監督(52)にプレーをほめられ、入部を決意した。2年時の道高校選抜で国体3位。翌年、U-18日本代表まで駆け上がった。

 大学入学後、1年秋の右手甲骨折以外、順風満帆だった。3年時に学生の日韓戦に出場。今夏のユニバーシアードでスタメンを張り、躍動した。「ドイツやフィンランドの選手は体の使い方がうまい。身長が2メートルあってもスピードがある。早くこのレベルに近づきたい」という。

 東海大のポジションは相手ゴールに近いパワーフォワード(4番)。代表チームでやや外側のスモールフォワード(3番)を任される。「代表と同じ3番ができることも、滋賀を選んだ理由の1つ」。デニス監督は同郷高橋の逆サイドを、佐藤に走らせる構想を描く。

 栄養学の講義で緑黄色野菜の必要性を学び、中華を手作りした。週3回の筋力トレーニングや1日3回のプロテイン摂取を欠かさず、入学時に60キロだったベンチプレスは110キロまで増えた。「北海道でキャリアを終えたい気持ちはありますが、まずは滋賀で結果を出す。新人王も取りたいですね」。日本期待のホープは、滋賀から世界経由、北へのUターンを目指す。【中島洋尚】

 ◆佐藤卓磨(さとう・たくま)1995年(平7)5月10日、札幌市生まれ。札幌常盤中1年でバスケットボールを本格的に始める。東海大四高2年で道高校選抜、3年でU-18日本代表。高3で総体出場、選抜優勝大会16強。東海大では、1、2、3年のインカレ準優勝。1、2年の関東大学リーグ優勝。3、4年でU-24日本代表。家族は両親と兄。195センチ、88キロ。