男女を通じて単独最多となるW杯55勝を挙げたノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21=クラレ)が27日、五輪シーズンの全日程を終え、羽田空港に帰国した。

 空港では会見を行った後、同記録のギネス世界記録認定式が行われ、認定証書をその場で授与された。「これに恥じない結果を残していきたい」と気持ちを引き締めた。

 W杯では昨年2月から勝利から遠ざかり、今季も平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)で銅メダルこそ獲得したものの、最終2連戦の前まで未勝利だった。何度もくじけそうになりながらも挑み続け、24日に単独最多54勝目に到達、25日の最終戦も勝って2連勝で締めた。急成長を遂げるルンビ(ノルウェー)ら外国勢を退け、久々に定位置に座った。「諦めず自分を貫けたことが結果につながった」と喜んだ。

 今春、日体大を卒業し、よりジャンプに打ち込める環境が整った。「スキーに自分の時間を使える」と話す。今後は継続的に陸上トレーニングを行い、来季はゴールデンウイークからジャンプ練習を始める予定だ。休みはほとんどないが「今は休むより、試したいことの方が多い」と意欲的で「今のままでは世界に追いつけない。一から作り直したい」と前だけを向いている。