16年リオデジャネイロオリンピック男子400メートル個人メドレー金メダル萩野公介(23=ブリヂストン)は1分57秒70と、全体のトップで6日の決勝に進んだ。

 かつて多種目に出場してきた萩野も今大会はこの種目にかけている。前日4日4の200メートル自由形は棄権。3日の400メートル自由形で精彩を欠いて2位。心身の状態が崩れることを懸念した平井伯昌コーチ(54)と話し合って今日5日の200メートル個人メドレーに専念することを決断した。

 萩野の日本選手権での棄権は、12年200メートル背泳ぎ、同自由形以来6年ぶりとなった。棄権した間は体の動きをじっくりと確認した。その間に「いろんな人から『楽しんで泳げ』と言われた。いつもはあまり声をかけられない先輩からも『楽しんでやれ』と。僕、よっぽどつまらない顔をしてやっていたのかな」と苦笑い。その上で「頑張りたいという気持ち」と口にした。

 午前の予選は、2分0秒15で全体の1位で通過。「4泳法を泳ぐのは今大会初めてなので、スタートと各種目の泳ぎをチェックしていた。無理にはいかずに後半に余力があった」と手応えはつかんでいた。リオオリンピック、昨夏の世界選手権と銀メダルも獲得した種目。「個人メドレーは譲れない思いがある」と強い気持ちが出た準決勝のレースだった。