ラグビーのトップリーグ(TL)下部に当たるトップチャレンジリーグ(TCL)を戦う近鉄が、女子ラグビーの功労者と1年でのTL復帰を目指す。

 8日、19年W杯日本大会に向けて改修が進む東大阪市花園ラグビー場を背中に、約2時間の練習を実施。雨の中で1対1のタックル練習など、基本練習に多くの時間を割いた。

 自慢の本拠地・花園の改修はこの秋に終了し、10月にはこけら落としで日本代表戦を実施。そんな節目と、19年の創部90周年を目前にしながら、チームは昨季、TCL降格の屈辱を味わった。立て直しを図るべく、今季就任した新ヘッドコーチ(HC)が有水剛志氏(44)だ。

 「もちろん女子と男子では男子の方がプレーの強度も強いし、スピードもあります。でも、W杯で世界と戦ったことでいろいろと感じたことがある。それは生かせるんじゃないかと思っています」

 有水HCは女子ラグビー日本代表を率い、17年W杯アイルランド大会に出場。12チーム中11位だったが、日本にとって4大会ぶりだった大舞台を経験した。その指揮官が4月から近鉄の練習に携わり、率直に感じたことがあった。

 「第一印象は良く言えば素直。悪く言えばおとなしい。もっと1つ1つのことに対して言い合う場面があってもいいと思いました」

 アットホームな空気感は近鉄の良さでもあり、弱点でもあるのかもしれない。

 「ギリギリの勝負の時に通じるプレー。世界で戦っていると『ここが勝負』という時がある。そこでの1対1や、ボールの握り方、置き方…。そこでできなければ、絵に描いた餅になってしまう」

 スーパーラグビーのレッズでHC経験を持つニック・スタイルズ新FWコーチ(44)らともその考えは一致しており、この日もボールの置き方や、タックル時の肩の上下まで細かい約束事が確認された。

 花園でW杯が行われ、チームとしても特別な年となる2019年。1シーズンでのTL復帰を目指し、勝負どころに向けた準備を進めていく。【松本航】