楢崎智亜(22=TEAM au)が初代複合日本王者に向けて予選を首位で通過した。男子予選はスピード、リード、ボルダリングの順に行われ、各種目の順位を掛け合わせたポイントで複合の順位が決定する。

 楢崎智は第1種目のスピードで6秒93をマークし、日本記録を更新。号砲から0・1~0・2秒の間にスタートを切る練習を積みんできた成果が実っての記録更新に「うれしかった」と笑みを浮かべる。

 しかし第2種目のリードでは、壁の序盤で、壁途中の確保支点から命綱が外れる痛恨のミス。25人中21位に沈み、「21位はまずい」とかけ算で算出する複合順位の影響に焦りながらも、最後のボルダリングに向けて奮起。ボルダリングでは2完登し2位につける。スピードの1位、リードの21位、ボルダ位リングの2位を掛け合わせ、42ポイントで首位で予選を通過した。2位には弟の明智(19=TEAM au)が52ポイントで続いた。

 楢崎智はリードでの失敗に「こんな失敗初めてやりました。順調だったんですけど、不注意です」と苦い表情。東京五輪でも採用される複合の順位決定方式に救われた形となった。今大会は、東京オリンピック(五輪)が3種目の複合で行われることから、国内大会で初めて複合を実施。楢崎智は「複合がどんな感じか、感覚をつかもうと思っている」と位置づける。一方で「大会なので、勝ちたいです」と勝利にもこだわる姿勢を示した。

 予選上位6人が進む24日の男子決勝は、スピード、ボルダリング、リードの順に午後1時45分から競技を開始する。