アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝甲子園ボウルは、16日に東日本代表早大(関東)と西日本代表関学大(関西)が対戦する。2年ぶり5回目の出場となる早大は過去4度はいずれも敗れた。「歴史を変える」を合言葉に、創部85年目にして初の大学日本一を目指す。

関学大とは2年ぶり2度目の対戦となる。3年連続52回目出場で2年ぶり29回目の大学日本一を狙う名門。打倒関学大へ、チームにはさまざまな思いや因縁が詰まっている。

早大は付属の早大学院での経験者が中心で、4年38人のうち12人いる。14年の高3時には全国大会決勝クリスマスボウルに進出したが、関西学院に5連覇を阻まれた。主将だったRB片岡と2年も先発QBだった柴崎は、ケガで途中退場となった。先発組にはWR遠藤、CB阿部らもいる。

関東のリーディングラッシャーになったRB元山と、守備リーダーのLB中村は大阪・豊中高出身。こちらも高3の春の関西大会で関西学院に敗れた。受験に専念するため、これが高校最後の試合になった。中村は2年前の甲子園ボウルでは先発に抜てきされ、敗戦を肌で感じた1人。関学大には同期のWR尾崎副将もいる。2人は「大学で対戦して雪辱したい」思いでここまできた。

コーチもさまざまないわくがある。攻撃担当の箕浦コーチは4年前の早大学院監督で、今年からスタッフ入り。教え子たちの精神的支えにもなっている。今年から攻撃コーディネーターを務める坂本コーチは、3月まで追手門学院ヘッドコーチだった。昨秋初めて関西大会に導いたが、関西学院に敗れたのが最後の采配だった。

早大には関学大出身のコーチも4人いる。12年目となるキック担当の芝原コーチは、対戦が決まって関学大・鳥内監督に電話した。「余計なことするな」と言われたそうだ。前回はスペシャルプレーでTDを挙げた。「今回もたっぷり準備はしました」と母校への恩返しを狙っている。