新潟アルビレックスBBが年をまたぐ今季2度目の5連勝で中地区首位をがっちりキープした。京都ハンナリーズ(西地区3位)に90-86で競り勝った。85-85の第4クオーター(Q)残り24秒、SF池田雄一(35)が決勝の3点シュートを決めた。ベテランがここ一番の要所で期待通りに仕事をし、チームを勝利に導いた。

力みのない華麗なフォームから、池田がビッグショットを決めた。85-85。同点で迎えた第4Qの残り24秒、Cダバンテ・ガードナー(27)からのパスを左サイドの角度のない位置で受ける。「あの時間、パスを回してもいいオフェンスはできない」。自分が決める意思はすぐに固まった。相手のブロックを視界に入れながら冷静に放った1本は、きれいにネットを通過。同時に、チームメートが次々と池田に飛びついてきた。

88-85と土壇場で3点リードを奪った。この後、新潟は京都の反撃を1点に抑えた。3点シュートの直前の新潟のタイムアウトで、庄司和広監督(44)は「ガードナー、だめなら池田で勝負」と指示。ファーストチョイスのガードナーは「自分は相手に囲まれていた。イケダさんを信じてパスを出した」。池田は託された思いを形にした。

シュートは好調だ。この日は4本の3点シュートで12得点。前日5日はフリースローを4本放ってすべて成功させるなど9得点。ほしい場面できっちりスコアメークする。これで31試合を終え、3点シュートは成功率41・5%、フリースローは同86・7%のハイアベレージだ。

試合前のウオーミングアップでは、ガードナーからパスを出してもらい、3点シュートを5本打つのがルーティン。この日はすべて成功し、試合開始を迎えた。「それが手応えではないですけど」と照れ笑いしながら、「任せてもらった場面で得点するのが自分の仕事」と力強い。

接戦をものにして今季2度目の5連勝、アウェーでの同一カード連勝を「大きい勝利」と喜ぶ。悲願のチャンピオンシップ進出へ、チーム在籍13年目、最古参のベテランが存在感を示した。【斎藤慎一郎】