ショートプログラム(SP)7位の紀平梨花(16=関大KFSC)がフリーで152・59点とし、合計223・49点で初出場の世界選手権を終えた。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を大きな跳躍で決めて連続技につなげたが、続く2度目の単独での3回転半で軸が大きく傾いて転倒した。今大会前まで、今季はフリーで13本11本成功と結果を残してきたが、世界一決定戦で2本をそろえることはできなかった。その後は大きなミスなく立て直し、フィニッシュでは数度うなずき、笑顔もこぼれた。

21日のSPは、代名詞の3回転半ジャンプが1回転半になって、7位と出遅れた。首位ザギトワとは11・18点差。今季の国際大会6戦全勝の紀平にとっても、大きな差がついた。しかしシニアデビューの今季、GPファイナル、4大陸選手権、世界選手権と3冠が視野に入っていた。世界選手権を前にした2月15日にはこう口にしている。

「やっぱり今まで何度か優勝もできたけれど、一番重要な試合は世界選手権なので、そこで勝たないと、今までやってきても、世界選手権と思っているので、とにかく世界選手権で今まで以上のショート、フリー、完璧な演技で自己ベストを更新したいと思います」

SPでは痛恨のミスがあったが、これまでピンチは何度も経験してきた。逆境を力にかえて、「伝家の宝刀」トリプルアクセルの爆発力を武器に、勝利をつかみとってきた。16歳は、最後まであきらめない姿勢を貫いて戦った。