【ワシントン21日(日本時間22日)=桝田朗】NBAのウィザーズ入団が決まった八村塁(21=ゴンザガ大)が、日本代表活動でもチームの全面支援を受ける。日本人史上初のドラフト1巡目指名(全体9位)から一夜明け、チームの本拠地キャピタルワン・アリーナで入団会見を行った。同席したトミー・シェパード副社長はW杯、20年東京オリンピック(五輪)への活動に理解を示し、協力を約束した。

   ◇    ◇   ◇

華やかな入団会見の陰で、日本代表活動への交渉も始まっていた。八村とは別行動でワシントン入りした日本バスケットボール協会の東野智弥技術委員長は、入団会見前に球団のシェパード副社長と会談。W杯(8月31日開幕、中国)前の合宿参加、さらに20年東京五輪への協力を取り付けた。

入団会見に同席したスコット・ブルックス監督と同副社長は、東野委員長にW杯を視察することを伝えたという。八村は次期シーズンの陣容を固めるチームのサマーキャンプにまず参加。7月下旬に帰国した後、日本代表の強化合宿に参加して、そのままW杯に臨む。

サッカーなど海外のチームが、日本代表活動よりチーム事情を優先するケースは多々ある。バスケットも基本、NBAが優先されるが、近年代表活動へ理解を示す流れにあるという。八村はまずチームの開幕ロースター(出場選手登録メンバー15人)に残ることが先決だが、それと同様に日本代表への思い入れも強い。両方に注力することが、さらなる進化につながる。

そんな八村を迎えたワシントンは歓迎ムード一色だった。ウィザーズの本拠地キャピタルワン・アリーナでは、八村の到着時間に合わせて、施設内外に日本語で歓迎の言葉が入った電光掲示板が掲げられた。会場に入る際には、球団スタッフ100人近くが笑顔と歓声で出迎えた。1巡目指名から入団会見までの慌ただしさに「何とも言えない2日間。どれだけ大きなことをしたのか」と歴史的快挙の実感をかみしめた。

会見でウィザーズについて「ジョン・ウォールなどのスーパースターがいて、速い展開のバスケットをやるチーム。その中にボクも入ってやれると思う」とあらためて自信を示した。会見後に、同副社長から渡されたユニホームに9の背番号が入っていたが、こちらは指名順を入れた暫定のもの。「ボクの希望はリクエストしてありますから」と数字は明かさなかった。高校時代につけ、自分の名字から取った「8」への思い入れが強く、あこがれのマイケル・ジョーダンがつけた「23」も空いている。この2つが有力で、近日中に決定する。