18年世界ユース選手権2冠の楢崎明智(20)が、7位で決勝に進んだ。

今大会ボルダリング金メダルで同予選3位の兄智亜(23)とともに兄弟で決勝進出を決めた。藤井快(ともに=TEAM au)は4位、原田海(日新火災)は5位で突破し、21日の決勝で日本勢は最上位の1人が20年東京オリンピック(五輪)代表に内定する。

   ◇   ◇   ◇

「楢崎兄弟」の五輪代表争いが激化する。弟の明智は決勝進出が決まると「めちゃくちゃうれしい。(兄の)智くんがいなければメンタルでやられていた。助けられた」と喜びながら兄に感謝の気持ちを伝えた。

1種目のスピードでは、隣のレーンで初めて兄弟対決が実現。1本目は兄に1秒以上の大差をつけられたが、勝負の2本目では「いつも通り、大丈夫」と声を掛けられ、平常心を取り戻した。「絶対に追いついてやる」と強気な姿勢で自己ベストの6秒776をマーク。自己ベストを更新したことで波に乗り、ボルダリング5位、リード8位の総合7位につなげた。

決勝では兄弟で五輪代表権を争う。187センチの大器は「作戦はない。1種目ずつ全力でやるだけ。(兄を)上回れたら良いけど、日本人で2位以内に入れたら良い」と、謙虚な姿勢で大舞台に臨むことを誓った。

○…3位通過した兄の智亜は、兄弟での決勝進出を喜んだ。「ワールドカップ(W杯)の決勝でも戦ったことがないのでうれしい。ずっと『決勝で戦いたい』と思っていたので残ってくれて良かった」と歓迎。休養日の20日は一緒に温泉に行き、疲労回復に努めるという。夢である東京五輪の兄弟出場に向け、万全な体調で決勝に臨む。