F1第16戦ロシアGP決勝が行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが優勝した。第12戦ハンガリーGP以来、約2カ月ぶりの勝利となった。

レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが4位、アレクサンダー・アルボンが5位入賞を果たしたが、トップ2チームのメルセデスAMGやフェラーリには差をつけられ、予想外の苦戦にチームは重苦しい雰囲気に包まれた。

パワーユニット投入によるグリッド降格ペナルティーで9番手スタートだったフェルスタッペンは、中団グループ勢を抜いて上位勢の後方まで浮上。フェラーリのセバスチャン・フェッテルがパワーユニットトラブルでリタイアため4位でフィニッシュした。

「すごく退屈なレースだったよ、間違いなくこれが今日の僕らにできる最大限だったと思う。特に何かマシンに問題があったというわけではない、ただ単純に十分な速さがなかったというだけのことだよ」

アルボンは予選でのクラッシュで車体パーツの交換を余儀なくされ、ピットレーンスターに。そこから追い上げ、セーフティーカー導入のタイミングでタイヤ交換を済ませる幸運もあり5位でフィニッシュした。

「タフな土曜日のあとで、この結果はうれしいよ。今日はこれが僕らにできる最大限の結果だったと思うし、セーフティーカーのタイミングは僕らにとってラッキーだった。土曜日のあの状態からチームのみんなは本当に良い仕事をしてくれたと思うよ」

しかし純粋なペースではメルセデスAMGとフェラーリには及ばず、車体側の開発の停滞やパワーで後れを取っていることが要因として考えられるとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは厳しい表情を見せた。

「フェラーリに関しては(前戦シンガポールGPで)フロントノーズを入れたのが明らかに効いていると見ています。自分たちがこのサーキットに合っていなかったのか退化したのかは分かりませんが、特に何が悪かったという点はありませんし、まずは相手が進化したと見ています。ただ、相手が何をして速くなったかは分かっても、自分たちが何をすればそこに追い付くかというのは分かりませんし、常に新しいものを入れて改善しようとはしています」

次戦はホンダの地元レースとなる日本GPだが、優勝を狙うのは現実的に厳しいだろうというのが田辺テクニカルディレクターの現段階での見立てだ。

「レースをやっているからにはいつも勝ちにこだわってやっています。ただし自分たちのポジションを見失わずにやっていますし、今回のレースでも再認識させられました。(優勝することが)非常に難しい状況だということは認識しています」

(米家峰起通信員)