羽生選手は、2日間を通じて、自身が初戦に追い求めてたものができたからこそのガッツポーズだったように思う。

ジャンプに関しては相変わらずブレがなく、素晴らしいジャンプを跳んでいた。そのなかで本人も会見で語っていた通り、自分にとって今の時期に大切な事を要点に絞り、できることを丁寧に確実にしていたように伝わった。全てを出し切ったというより、まだまだ伸びる余地がある、そんな演技のようにも思えた。本人は、もちろんその場その場を全力で演技しているが、まだまだ余裕が見え隠れするからこそ、さらに今後も成長を見せてくれる、そんな楽しみを残してくれる演技だった。

田中選手は、これまでミスが目立つ演技が多かったが、250点を超えたのは、これからのシーズンを戦う上で最低限の点数をクリアした。シーズンが進むにあたって、しっかりと今後のプランを持っていると思う。なるべく、そのプラン通りに運べるかといったところが鍵だろう。互いに今シーズンの今後が楽しみなGP初戦だった。(10年バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト)