女子78キロ級で梅木真美(24=ALSOK)が2年連続3度目の優勝を飾った。決勝を含めた4試合で一本勝ちを並べた。世界女王として迎えた16年リオデジャネイロ五輪で初戦敗退してから3年。環境を変え、自分を律し続け、雪辱を期す東京五輪への望みをつないだ。

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相手の奥襟を持ち前進する梅木に力強さがみなぎった。20歳の和田との決勝戦、バレーボール選手の母譲りの175センチの大柄で圧力をかけていく。「自分から前に出て相手に合わせないように」。初戦からの意識付けを遂行し、3分30秒に小外掛けで仕留めた。

リオ五輪時は環太平洋大の学生。卒業後の17年4月に上京すると、あえて1人暮らしを始めた。ナショナルトレーニングセンター近くに住み、1人でも出稽古に向かう生活。15年世界選手権を制した元世界女王は打ち込み相手も自ら探すことを選んだ。「学生の時はやらされていた。いまは自分で考える。自分次第」。

食堂通いだった学生時代と違い、最初は自炊にも苦労した。「自分に甘くなっちゃう」と苦笑するが、体脂肪率が3年前より4%も落ちた生活は、「甘い」部分を必死に律した成果だろう。武器は自分で試合のペースを握りにいく姿勢だった。自ら考える環境も、その復活を助けるだろう。

好敵手の浜田が18年に世界女王となり、今年の世界選手権でも2位。リードは許すが、「まだ厳しいと思うし、本当にここからが勝負」と気持ちも前に出る。リオの雪辱、「五輪で金メダルを取りたい」という初心。このままライバルにペースを渡すつもりはない。【阿部健吾】