ハンドボール男子日本代表の「暴れん坊将軍」徳田新之介(24)と初代表の廉之介(21)が、兄弟で東京オリンピック(五輪)を目指す。

来年1月16日開幕のアジア選手権(クウェート)に向けて都内で合宿中の日本代表が23日、メディアに練習を公開。2人はともに「兄弟で東京五輪に出たい」と話した。

新之介は16年1月に筑波大2年で代表デビュー。大学卒業後の18年にハンガリー1部のダバシュとプロ契約し、今年5月に「東京五輪のために」日本リーグの豊田合成に移籍した。廉之介は筑波大3年に在籍しながら今年9月にポーランド1部のタルヌフと契約。今合宿に初めて呼ばれた。

すぐに兄弟と分かるほどそっくり。髪の毛の色こそ違うが、ともに左腕でポイントゲッター。RBのポジションも同じだ。兄178センチ、弟180センチとサイズも変わらない。山口・岩国市の小学生チーム「IDBスポーツクラブ」でハンドを始め、岩国工-筑波大で活躍し、年代別日本代表も経験。さらに欧州でもプレーした。代表入りまで、兄弟で同じ道を歩いてきた。

廉之介の代表入りに新之介は「刺激以外にないですよ。兄として負けられませんから」。廉之介も「代表はレベルが高い。ついていくのがやっとだけど、兄がいるのは心強いです」と話した。この日、報道陣のカメラのターゲットになり、新之介は「こんなに2ショットの写真を撮られたことないですね」と笑った。

アジア選手権の代表は21人だが、五輪は14人と狭き門になる。代表の中心選手に成長した新之介は「兄弟で五輪に出られたらうれしいですね」と前向きに話したが、廉之介は「東京五輪は出たいけど、まだまだ。もっと成長しないと」と控えめ。ハンドボール界初の兄弟五輪出場を目指して、徳田兄弟はそろってアジアの戦いに臨む。