静岡聖光学院は5-56でBシードの流通経大柏(千葉)に屈した。前回大会4強の難敵に真っ向勝負を挑むも、パワーとスピードで圧倒されて完敗。同校初の3回戦進出を果たせず、佐々木陽平監督(42)は「本当に強かった。分析されていたし、力は想定以上。準備不足でした」と唇をかんだ。

思わぬアクシデントにもひるまなかった。5トライを許した後の前半29分、主将の大西馨汰(けいた、3年)が負傷交代。後半からゲーム主将を務めたSH平野史也(3年)は「厳しくなったけど、みんなで耐える場面はあった」。公式戦では初めてキャプテンを欠くことになったが、耐えてワンチャンスを待った。

後半10分、右サイドで平野が前線にキック。抜け出したWTB赤津圭哉(2年)が押さえ込み、トライを奪った。一矢報いた意地の1本で、花園での同校通算トライ数は50に達した。赤津は「裏が空くことは映像を見て分析していた。苦しい展開の中で雰囲気を変えるトライになったと思う」と胸を張った。

3回戦進出はまたしてもシード校の壁に阻まれた。佐々木監督は「まだまだということ。練習からどれだけ突き詰めてやれるかだと思う」と、仕切り直しを誓った。【神谷亮磨】