【ブリスベン(オーストラリア)6日=吉松忠弘】世界4位の大坂なおみ(22=日清食品)の東京オリンピック(五輪)イヤーが、幕を開ける。新コーチに就任したウィム・フィセッテ氏(39=ベルギー)が日刊スポーツのインタビューに応じ、世界1位奪還と4大大会優勝を目標に掲げた。大坂のブリスベン国際1回戦は日本時間7日、第1試合が午前10時開始のスタジアムコート第2試合。同23位のサカリ(ギリシャ)と対戦する。対戦成績は大坂の2勝1敗だ。

大坂の金メダルに向けた20年が始まる。それを支えるのが、フィセッテ新コーチだ。4人の女子選手を4大大会決勝に導き、4度の優勝を達成した優勝請負人。そして、データを使う数字の魔術師でもある。すでに、12月初旬から指導を始め、約1カ月がたった。

フィセッテ いいチームワークだと思う。しっかりとハードな練習が積めたし、開幕戦が楽しみだよ。私にとっても、なおみとの初戦だから、ワクワクしているんだ。

18年から、全豪2度の優勝で、元世界女王のアザレンカを指導していた。そこに、大坂サイドから打診があった。

フィセッテ こんなチャンスはないと思った。ただ、ビカ(アザレンカ)に相談した。彼女はケガをしていて復帰の時期が分からない。だから、快く送り出してくれた。

実は、大坂の才能を以前から高く評価していた。

フィセッテ 確か、最初に見たのは(大坂が)15歳ぐらいの時。メキシコだったかな。その時から、すごい才能で、強いストロークの持ち主だった。ただ、動きだけがあまり良くなかったことを覚えている。

そして、この数年で、その課題だった動きも改善されたという。

フィセッテ いいトレーナーが2人もついている。非常にハードなトレーニングを積んで、動きは見違えるように変わった。

そして、今年の目標は女王奪還だ。

フィセッテ 間違いなく1位に復帰できる。彼女の才能なら、まだまだ、いくつもの4大大会で優勝できて、1位に返り咲ける。十分に現実的な目標だ。

そして、そこに数字の魔術師の手腕が発揮されるというのだ。

フィセッテ データを使って、しっかりと分析している。課題も浮き彫りになった。そこを改善して、戦術に落とし込んでいけば、完璧な選手になれる。