女子7人制ラグビー日本代表候補のFW小笹知美(28=北海道バーバリアンズディアナ)が、東京オリンピック(五輪)へ突っ走る。昨年は五輪と同じ会場となる東京・味の素スタジアムでラグビーワールドカップ(W杯)準々決勝の日本-南アフリカ戦を観戦した。初めて8強入りし強豪に挑んだ「ONE TEAM」の感動を胸に、代表サバイバルを勝ち抜く。
東京五輪の「サクラセブンズ」に向けて着実に歩を進めている。17年から日の丸を背負い、昨年12月に日本協会から発表された五輪代表第2次候補の21人に入った。今後は10回以上にわたる遠征、合宿が行われ、6月に12人の登録メンバーが決定する見込みだ。
小笹 2年半ほど代表に呼ばれているが、五輪メンバーに入れるかどうかは安心できない。自分はパフォーマンスに波があるし、指導陣もそれを感じている。合宿で常に一定した力を出してアピールしたい。1日1日、無駄にできない。
北海道での選手生活が五輪の意識を芽生えさせた。鳥取出身で大学までサッカー部に所属。13年にナショナルタレント発掘・育成プロジェクトをきっかけにラグビーに転向した。16年に北海道バーバリアンズディアナでプレーするために横浜から移住。直後にリオデジャネイロ五輪代表メンバーが札幌で直前合宿を行い、練習相手を務めた。
小笹 サッカーのなでしこジャパンがW杯で優勝した大学時代、自分は試合にあまり出ていなかったので世界は遠い存在だった。だけどラグビーはリオ五輪直前の代表と実際に一緒に練習して、次は自分が行きたいと強く感じて4年間を過ごしてきた。
持ち味はパワーだ。位置はFWでスクラムでは柱となるプロップとして活躍。スピーディーな7人制でも最前線で体を張り、指導陣からはボールに持ったら少しでも前に出ることが求められている。
小笹 キックオフでのボールの競り合いが自分の強み。それをもっと磨かないといけない。今はボールを持った時に簡単に倒れないように相手との間合いの間隔やタックルが下から来た時の対応を常に考えながら練習している。
昨年は男子15人制W杯の準々決勝をゴールポスト裏の席で観戦した。日本は南アフリカに屈したが、「ラグビーブーム」を肌で感じ4万8000人の興奮と声援が体を包み込んだ。会場は五輪と同じ。最高のイメージトレーニングとなった。
小笹 正直、開幕前は日本がラグビーで盛り上がるかどうか不安だった。想像以上の盛り上がり。それを会場で実際に体感できた。観客が一丸となっているあの感じ。今度は自分が選手として立ちたいと思った。
昨年12月のワールドシリーズ第2戦ドバイ大会では、出場12チームのなかで最下位に終わった。自身は4試合に出場。個人としても日本代表としても課題が残る遠征だった。
小笹 個人的にはキックオフでのボールのキャッチがまだまだだなと改めて感じた。チームの目標である五輪でのメダル獲得を達成するにはまだまだやらないといけないことがたくさんある。味の素スタジアムで輝けるように頑張りたい。【西塚祐司】
◆小笹知美(こざさ・ともみ)1991年(平3)11月21日、鳥取・米子市生まれ。米子高、吉備国際大ではサッカー部。13年に日本スポーツ振興センター主催の「ナショナルタレント発掘・育成プロジェクト」に合格してラグビーに転向。17年に7人制の代表に初招集され、18年のW杯(米サンフランシスコ)に出場。172センチ、71キロ。家族は両親と姉、弟。血液型A。
◆7人制ラグビー 16年リオデジャネイロ五輪から正式種目。15人制と同じ大きさのフィールド、同じルールで行われる。試合時間が前後半7分間と短いため、ボールの流動性が高く試合展開がスピーディー。速攻で試合を優位に進めることができ、強豪国に「番狂わせ」を起こせるのも魅力と言われる。


