全国少年少女選抜レスリング大会(個人戦、2月22、23日、東京・板橋区立小豆沢体育館)で巻っずクラブの2選手が入賞した。

女子4年生の部28キロ級の本名奏天(かなで、巻北小4年)は準優勝。クラブを主宰する父の栄仁監督(44)の期待に応え、初の全国入賞を果たした。同+44キロ級の真島好花(こはる、亀田東小4年)は3位。昨夏の全国少年少女選手権に続く3位でトップレベルの実力を証明した。ともに全国少年少女選手権(5月15~17日北海道・道立総合体育センター)で優勝を目指す。

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初の全国入賞に本名は「やっぱり優勝したかった」。同時に「メダルをもらってうれしかった」と笑顔を見せた。初めての表彰台は頂点の少し下。「今度は絶対優勝する」。5月の選手権をすでに見据えている。

決勝は永谷梨愛(石川・志賀ジュニア)に0-10のテクニカルフォール(Tフォール)負け。ただ、収穫はあった。準決勝で昨夏の選手権でTフォール負けした菅原美紅(青森・トワダクラブ)に4-1の判定勝ち。「リベンジできた。自分でも良かったと思った」。成長した姿を全国の舞台で見せた。

「前日の夜は眠れなかった」というほど緊張して臨んだ大会。決勝を経験したことで具体的な課題も見えた。「もっとタックルを磨く。相手のタックルはすぐにかわせるように」。栄仁監督は「着実に強くなっている。これからもどうやって自分で高めていくかが大切」だと言う。監督である父だけでなく、巻っずクラブのコーチ陣の指導を素直に吸収してきた。本名は「もっと練習しないと」と前を向く。

レスリングを始めたのは4歳。父は日体大時代にインカレ優勝、全日本選手権準優勝の実績がある。母の亜里さん(42)は97、99年のアジア選手権62キロ級で優勝。双子の兄、一晟(山梨・韮崎工1年)、帝心(八海1年)と2歳下の妹、沙羽(巻北小2年)も選手。レスリング一家の中でも「センスは兄妹でいちばん」と栄仁監督は期待する。

入賞し、うれしかったのは小学校の友人や先生から祝福してもらったこと。頂点を狙う力をもらった。「将来は五輪に出たい」という夢もはっきりした。【斎藤慎一郎】