静岡・浜松商高女子ソフトテニス部が、新たな目標に向かって歩み始めた。新型コロナウイルスの影響で中止になった県高校総体の代替大会が、7月に開催されることが決定。鈴木ほのか主将(3年)は「大会があることはうれしい」と話す。今月1日には部活動も再開し、「特別な夏」に向けた準備を進めている。

全国総体に続き、同校にとっては個人、団体で4連覇を目指すはずだった県総体も中止が決まった。同主将は「全国総体に出て、自分の力を出し切れなかった昨年の(全国総体の)リベンジをしたかった。ショックでした」。初の全国を狙っていた藤本彩月(3年)も「総体に向けて調子も上がっていた。ショックでした」と振り返った。

一時は目標を失ったが、集大成の場が与えられた。就職や進学の準備などで引退を決めた仲間もいる中、4人の3年生が代替大会出場を決めた。若杉嘉宏監督(62)は「やると決めた子は、自分で最後の場をつくった。納得のいく終わり方をしてほしい」と願う。

代替大会には、それぞれの思いを胸に挑む。鈴木主将は、8位までが得る皇后杯・全日本選手権県予選の出場権を狙う。「最後に全国で戦うチャンスがある。引退を決めた仲間を励ませるような結果を残したい」。藤本は「最後は支えてくれた家族に試合を見てもらいたい」と話し、鈴木陽菜マネジャー(3年)は「みんなが良い結果で終われるようにサポートしていきたい」と力を込めた。「完全燃焼」するためにコートに向かう。【前田和哉】