フィギュアスケーターと女優業を両立する本田望結(16=プリンスホテル)がシニアデビュー戦を終え、合計123・31点で東日本選手権(11月6~8日、山梨・小瀬)に駒を進めた。上位18選手が次戦へ進む中で「何点を出せばいいか確認して」きっちり12位に入った。
前日9日のショートプログラム(SP)は「My Dilemma」に乗って43・91点の12位。この日のフリーでは姉の真凜(19=JAL)と同じ第3グループのトップを務めると、冒頭の3回転サルコー-2回転トーループをはじめ、3回転ループ、3回転サルコーに成功した。後半のルッツとフリップは1回転になったものの、三味線など和の音楽を融合した「鼓動/吉田兄弟・道/藤原道三・華/上妻宏光」(振付師・吉野晃平)を舞った。
演技後、本田武史コーチに笑顔を見せ、出た得点は79・40。合計123・31点とし、11人を残した段階で暫定2位に。最終的に12位となった。
「まずは通過することを考えていました。何点を出せば、何位なら通過できるか。いつもはしないけど、今回は確認しました。3回転ジャンプが3つ決まったのは大きかったですね。中でも、ループをきれいに決められたことがうれしかった」
納得のシニア転向初戦で東日本切符をつかみ、その先は全日本選手権(12月、長野)を目指している。試合後は、オンライン取材で以下のように答えた。
-緊張したか
「小さい時から順位、点数よりも試合に参加できることの方がうれしいので。事前に何点を出せばいいか把握していたので、緊張とか、ブレはなかったです」
-姉の真凜と同組だった
「姉も、肩のけがだったりで構成を落としていたので。ギリギリまで、どういう構成にするか話していました。日常はスケートの話は一切しないんですけど(シニアデビュー戦の今回は)初めてと言っていいほど試合の話をしましたね」
-姉のハプニングについて
「前代未聞ですって。曲が違った。エキシビの曲です。あ、これ、お姉ちゃんの曲だと思って更衣室に取りに行った。衣装を忘れたり、ハプニングある方が、お姉ちゃんらしい。落ち着いて滑っていたので良かったです」
-姉妹の目標は
「東日本選手権も戦うことになりました。お姉ちゃんと戦うことを意識できるまで、お姉ちゃんと同じくらい意識できるくらい頑張りたい、というのが目標であり夢です。お姉ちゃんともう1回、戦えることがうれしいです」
真凜は曲違いと右肩脱臼の痛みを乗り越えて7位。3歳違いの姉妹で支え合い東日本、そして全日本へ突き進んでいく。【木下淳】