F1第12戦ポルトガルGPのフリー走行が、アルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われた。ポルトガルでのGP開催は1996年以来、アルガルベでのF1開催は初となる。

過去に散発的にテストが行われたのみで本格的な実走行データがないサーキットだけに、各チームとも精力的に走り込んだ。午前のフリー走行1回目はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが1分18秒410のトップタイムを記録。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも0・781秒差の3位に付けた。ただし路面は舗装がされたばかりでオイルがにじんでおりグリップレベルは低い。

午後のフリー走行2回目は2021年に向けたピレリのプロトタイプタイヤのテスト走行を行った後に各車がタイムアタックと決勝に向けたロングランへ。しかしアタック開始直後にアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがマシンをコース脇に止めて出火。これで赤旗中断となって15分間を失った上、さらにセッションが再開された矢先にフェルスタッペンがランス・ストロール(レーシングポイント)と接触し、ストロールのクルマが止まったため再び赤旗中断となり、各チームとも本格的なアタックランもロングランもできないままセッションが終わってしまった。

その中でもフリー走行2回目もボッタスが1分17秒940でトップに立ち、チームメートのルイス・ハミルトンはアタックを完遂できなかったため8位。2位には0・595秒差でフェルスタッペンが入ったが、ソフトタイヤのボッタスに対して1ステップ硬いミディアムタイヤであり、本来の実力はまだはっきりと見えてはいない。

土曜午前に1時間のフリー走行3回目を経て予選・決勝へと臨む。1時間のセッションが重要になりそうだ。

(米家峰起通信員)