本田真凜(19=JAL)は50・41点の8位で翌7日のフリーに進んだ。

鳥をイメージした全身を覆う黒に薄紫が輝く衣装で登場すると、冒頭の3回転ループ-2回転トーループ(タノジャンプ)に成功。続く3回転フリップは両足着氷となったが、最後のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は決めた。

演技後、オンライン取材に応じ「前回のブロック(東京選手権)と比べて良くなった」と納得。脱臼していた右肩は「治りました」と言い「元通りの練習ができるようになってきた。ジャンプも、ほかの部分も、よく動けてたかな」と手応えを口にした。

負傷の影響で、10月上旬の東京選手権は前日にジャンプの練習を再開したばかりだった。今回は「ブロックの後、すぐ練習できました。この2週間くらいは痛みがない」と完治し「すごく追い込んで練習できた。去年の全日本のSPの出来が自分の中ではベストだと思っているので、ここから練習をもっとして、去年の自分のような良い演技をしたい」と復調して東日本を迎えていた。

その裏には、兄の太一(22=関大)からの助言があった。今季限りでの引退を決めている中、先週の西日本選手権を通過し、全日本選手権(12月、長野)に駒を進めた姿を見た。「兄とは一緒に練習する機会もあって励みになりました。すごく気持ちの部分で落ちていたんですけど(西日本の演技を見て)できることを頑張ろうと思えた。ラストシーズンなので『一緒に全日本に出たいな』というのを目標にしています。調子が上がっていなかったので、落ち込んで相談したんですけど『いい演技をして、そこから悩んだりすることを考えるべきなんじゃないか』『こういうレベルで悩んでいる場合じゃないよ』と言われたので、全日本を決めてから悩んだりしたいと思います」と支えられて前向きになれた。

勝負のフリーへ。前回は曲の提出を間違えるハプニングがあったが、照れ笑いしながら「今回は練習してきたプログラムを、いい演技で滑れたらいいなと思います」。続けて「曲が違うとか以前に演技が良くなかったので。まずは全日本に出場することを目標に、できる限り、自分の演技を出せるようにしたいなと思います」と本領発揮を約束した。【木下淳】