史上3人目の5連覇を目指す宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が今季初戦のSPで94・22点を記録し、3位発進した。首位の羽生結弦(ANA)とは9・31点差となった。

新型コロナウイルスの影響で、演目は2季目の「グレート・スピリット」。今季はグランプリ(GP)シリーズのフランス杯が中止になるなど、初戦が先延ばしになっていた。

冒頭の4回転フリップは着氷させ「『よっしゃあ!』という気持ちだった」。だが、緊張感もあり、4回転トーループは着氷時に制御しきれず転倒。それでも最後はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)でまとめ「(試合が)久々なのがあり、演技前はかなり緊張しました。こういう緊張でいつもは不安だったり、時には逃げ出したい気持ちにもなるけれど、競技者として『心のどこかで待ち望んでいたんだな』と思いながら滑りました」と演技ができる喜びをかみしめた。

前日24日の公式練習後には「なかなか試合がないと、うまく調子が上がっていかない。こうして試合ができて、うれしいです」とほほえんでいた。5連覇となれば、佐藤信夫、佐野稔に続く快挙。フリーは26日にやってくる。

「本当に今日はすごく楽しかったです。もう1度、この場で滑らせてもらえることに感謝して、今日まで頑張ってきた自分を楽しませてあげたい。みなさんのおかげで大会が成り立っている」

感謝を滑りに込める。【松本航】