ショートプログラム(SP)3位発進の宇野昌磨(23=トヨタ自動車)がフリー2位の190・59点を記録し、合計284・81点の2位で史上3人目の5連覇に届かなかった。

羽生結弦(ANA)が合計319・36点で頂点に立ち、宇野は「実力に関しては(羽生に)2歩ぐらい届かないのが正直な感想。僕の演技はとってもいいものだった。でも、羽生選手はいつも通り。それぐらい僕と羽生選手の差はある。久々にゆづくんと試合に出て『僕の目標がここにあったんだな』と感じられた」と素直な思いを口にした。

新型コロナウイルスの影響で、SP同様にフリーも2季目の「ダンシング・オン・マイ・オウン」。冒頭で4回転サルコー、続く4回転フリップを成功させ「あっという間に時が過ぎた」という。3つ目の4回転トーループが3回転となり「そこからいろいろ考えた」。演技後半に2本の4回転トーループを組み込むなど全力を尽くし、演技後はガッツポーズを見せた。

「出られて良かったですし、男子シングル、自分でいうのも何ですが、とてもいい試合になったと思います」

シーズン初戦が今大会に先延ばしとなっていたが、慣れ親しんだ演目に思いを込めた。

25日のSPは4回転トーループで転倒。予定していた連続ジャンプにできなかったが「点数(94・22点)を見る限り、失敗したジャンプ以外は良かったです。下(演技構成点)も46点が出ていたので、すごくうれしかった」と手応えをつかんでいた。

06年トリノ五輪銀メダルのステファン・ランビエル氏(35)が正式にコーチとなり、コロナ禍の中で1歩ずつ進んできた2020年。持っている全ての力を込めた演技で、最後の競技会を締めくくった。