女子でショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(18=トヨタ自動車)がフリー・154・90点の合計234・24点を記録し、2連覇を飾った。

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2位の坂本花織は、最後に演技した紀平の4回転サルコーを目撃した。合計点を確認して「234点…。すっご、ははは」と苦笑い。「自分のMAXな演技をして最高な演技を出せても、4回転を跳ぶ梨花ちゃん(紀平)のほうが高い。梨花ちゃんが(4回転サルコーを)降りたのを見てしまった。やらないと勝てないと思う」。

連覇を目指した昨年はまさかの6位。25日のSPは2位発進だったが、中野コーチに「勝ちにいっちゃだめ。自分の演技に集中しなさい」とたしなめられた。フリーも大きなミスなくまとめて、ガッツポーズ。「この全日本で去年のリベンジができた。うれしい」。

坂本のジャンプ力は、折り紙付き。中野コーチは今月上旬に「彼女は4回転が好き。去年あまりにも失敗したので、今年は自分が持っているものを全部出すことが目標。こっそり(4回転)ループをやっているので、それを『今はやめてくれ』といっている」と話していた。坂本はこの日「4回転だけ考えると去年みたいに自分を見失ったまま、気持ちだけが先走った状態になる。この現状を保ちつつ、プラスアルファで4回転の練習もできたらいいかな」と冷静に口にした。