あと一歩で初優勝を逃した東山(京都)の大澤徹也監督(39)は「日本一になるというプレッシャーにやられたのかもしれない」と振り返った。1年からコートに立つ司令塔の米須玲音(3年)の視野の広いパスと、206センチのコンゴ民主共和国からの留学生ムトンボ・ジャン・ピエール(3年)の圧倒的な高さを武器に、前半は仙台大明成(宮城)を圧倒。前半を40-26で折り返した。

しかし、第3クオーター(Q)からプレッシャーを強めた相手のディフェンスに苦しみ、精密機械のような米須のプレーにミスが目立ち始めた。13点のリードで迎えた第4Qに入ると、仙台大明成のエース、山崎一渉(2年)らのシュートが決まり始めて、一気に点差を詰められた。残り3分44秒に同点とされると、一進一退の展開になった。

67-70で迎えた残り12秒から米須が3本のフリースローをすべて決めて再び同点としたが、最後に山崎に決められた。「後半、明成さんのディフェンスの圧力が思ったより強くて、受け身に回った。気持ちで上回られたところがあった。プレーよりメンタルでやられたかなと思います」と米須は振り返った。

卒業後は大学に進学してプレーを続ける米須は「準優勝に終わりましたが京都には胸を張って帰りたい。大学では努力を続けて、しっかりと活躍して、将来はBリーガーになって、欲を言えば日本代表になりたい」。1年から追い求めた高校日本一の夢はあと一歩で実現しなかったが、3年間の経験をさらに大きな夢につなげる決意だ。