世界選手権で日本男子最年少銀メダリストとなった鍵山優真(17=星槎国際高横浜)が、世界王者の好演技に刺激を得た。フリーから一夜明けた28日、現地で「4回転の種類も多く持ちつつ、素晴らしい演技を目の前で見た。『自分はまだまだ』と思ったし『もっともっと努力しないと勝てないな』と実感した」。3連覇したネーサン・チェン(米国)との差を口にした。

27日のフリーではサルコー、トーループ計3本の4回転ジャンプで全て加点を得た。自己最高の190・81点は、現行ルールとなった18-19年シーズン以降の世界歴代5位。合計の291・77点も世界4位に食い込んだ。チェンに次ぐ2位で、一躍、22年北京オリンピック(五輪)のメダル候補に浮上した。それでもライバルが全員、完璧な演技をした結果をイメージし「4回転の種類も少ないし、まだまだ」。前日は跳び上がって喜んだが、17歳は冷静に分析した。

帰国後はすでに練習中の4回転ループに加え、ルッツの習得に励む予定。クワッドアクセル(4回転半)を除いて最も基礎点の高いルッツは「3回転の中で一番、余裕を持って跳べている」という。目指すのは4回転計4種の構成。伸び盛りの有望株は「早く安定させて、来シーズンのプログラムに組み込みたい」と力強く宣言した。【松本航】