ニッカンスポーツ・コムでは8日、18日、28日の「8」がつく日に、NBAウィザーズの八村塁(23)に関するコラムや話題を連載している。

第5回は、18日(日本時間19日)から始まるプレーオフ(PO)進出決定戦(プレーイン・トーナメント)の見どころをお届けする。

   ◇   ◇   ◇

戦いは、まだ続く-。

NBAのレギュラーシーズンが16日(日本時間17日)に終了し、最終順位が決定。八村が所属するウィザーズはホーネッツとの最終戦で逆転勝ちを収め、東地区8位と順位を上げてフィニッシュした。PO進出を狙ううえで、チームが最後に挙げた勝利の意味は大きい。

東西上位8チームが頂点を目指すPOは、レギュラーシーズンを終えた時点で出場枠が2枠ずつ残されている。PO決定戦とは、その2つの切符をめぐってレギュラーシーズン7~10位チームによって行われる変則トーナメント。東地区を例に説明すると、7位セルティックスと8位ウィザーズが、そして9位ペーサーズと10位ホーネッツがまずは対戦。ここでウィザーズが勝てば一発でPO進出確定となる。負けたとしても、9位対10位の勝者と最後の1枠をかけて争うチャンスが残されている。

つまりウィザーズは、9位以下だった場合には2連勝することがPO進出の絶対条件だったが、8位に浮上したことでハードルが下がり、2カードのどちらかで1勝すればOKとなったわけだ。

4月半ば頃から調子を上げてきた8位ウィザーズとは対照的に、7位セルティックスは失速した形でレギュラーシーズンを終えた。3月のオールスターに出場したジェイレン・ブラウンは左手首痛で戦列から離脱。ホームで戦えるアドバンテージは成績上位のセルティックスが持っているとはいえ、勢いでは最終戦でエースのビールが戻ってきたウィザーズのほうに分がある。

西地区の7位と8位の対戦も熱い。レブロン・ジェームズらスター選手がそろう前年覇者のレーカーズが、2度目の得点王に輝いたステフィン・カリー擁するウォリアーズと激突。レーカーズは5連勝で、ウォリアーズは6連勝でシーズンを終えた。両チームとも歯車がかみ合っており、白熱の攻防が見られそうだ。

PO進出決定戦は、コロナ禍で中断を挟んだ昨季、急きょ考案されたフォーマットで、好評だったことから今季も採用された。とはいえ、長いレギュラーシーズンの価値を損ねるといった見方も存在。4月中旬にはマーベリックスのルカ・ドンチッチが異議を唱えると、5月上旬にはレーカーズのジェームズが、「思いついたヤツはクビにすべき」と不満をぶちかまして話題になった。

一方でウィザーズのブルックス監督は、レギュラーシーズン終了後の会見で「この2週間とても楽しかった。すばらしいフォーマットだ」と賛意を表明。その在り方をめぐって、さまざまな意見が交わされている。【奥岡幹浩】