女子のエース村上茉愛が閉会式後の会場でマイクを握り、「私は今日で引退します! 最後の最後に金メダルで、感動を少しでも届けられたんじゃないかと思います」と笑顔で報告した。

現役最後の日は連続メダルで締めた。平均台で銅メダル、続く床運動では14・066点で金メダル。冒頭にH難度「シリバス」を決め、笑みも浮かべながらフィニッシュ。感極まったように手で口元をおさえた。得点は暫定2位も、異議申し立てが認められて1位に。「最高のご褒美だった」と世界選手権では5個目のメダルとなった。

東京五輪では日本女子で初の個人種目でのメダルとなる、床運動での銅メダルに輝いた。ただ、1つ心残りが無観客。競技を始めるきっかけを作ってくれた母英子さんに、最後に演技を見せたかった。この日、最高の恩返しができた。

今後は指導者を目指す。「たくさんメダルを取らせたい」と後進を育てる。