日本スケート連盟は9日、スピードスケートのワールドカップ(W杯)に向け海外遠征中の選手4人、スタッフ6人が新型コロナウイルスの検査で陽性となったことを発表した。個人名は明らかにしていない。

選手団には来年2月の北京五輪で2大会連続金メダルを目指す女子の小平奈緒(相沢病院)や高木美帆(日体大職)、男子短距離のメダル候補の森重航(専大)、村上右磨(高堂建設)、新浜立也(高崎健康福祉大職)らが名を連ねている。

日本代表チームの選手22人、スタッフ13人は12日から始まる北京五輪シーズンのW杯開幕戦(ポーランド・トマショフマゾウィエツキ)に向け、10月28日からこの日までドイツ・インツェルで合宿中だった。

ポーランド入国48時間前に行うPCR検査で発覚。同連盟によると陽性者はドイツ国内で7日間の隔離措置がとられるため、W杯開幕戦には参加できない。

選手、コーチの一部に微熱があるものの、ほとんどの陽性者は無症状。7日間の隔離を終えた後、陰性となればW杯第2戦(ノルウェー・スタヴァンゲル)に参加する予定だという。今回の検査で陰性だった選手らは濃厚接触者には当たらないと判断され、W杯開幕戦から参加する。

同連盟の広報担当によると、ドイツの保健当局からは感染対策としての行動制限は求められていなかったものの、日本代表チームの自主判断として移動先はホテルと練習場に限っていた。現地からの報告でも「感染経路は分からない」と困惑しているという。

11、12月のW杯前半4戦は日本の五輪出場枠が懸かる大事な大会。さらに選手個人にとっても4戦で好成績を収めれば五輪内定を得ることが出来るため、陽性者にとってはその影響が懸念される。【三須一紀】

◆北京五輪代表への道 11、12月のW杯前半4大会と12月の代表選考会(長野)の結果で決まる。W杯の成績により各国・地域に最大男女各9人の代表枠を配分。日本連盟が定めたW杯で平均的に3位以内に入るなどの基準を満たせば、男女各4人までに事実上の内定を与える。残りは選考会の成績で選ぶ。