昨季ジュニア3冠の松生理乃(17=中京大中京高)は6位だった。フリー122・83点の合計186・17点をマークした。

大会前に右足首を痛めた影響で「1週間近く、練習を休んでしまいました」。トリプルアクセル(3回転半)挑戦を封印し、本来は基礎点が1・1倍になる後半のジャンプを全て連続にしていた構成も、負担がかかる3回転ルッツからの3連続を前半に持ってくるなど、構成を落として迎えた試合だった。

3回転サルコーからの2連続は2本目のトーループが乱れる珍しいミスも。「私は練習を休んでしまうと感覚を忘れて、なかなか戻せ対タイプ」と猛練習で体に覚えさせてきただけに、悔しい初のシニアGP本格参戦となった。ただ、練習で転倒するなど苦しんでいた3回転フリップは降りて意地を見せた。

演技後は目を潤ませ「構成を落とすことになって悔しかったんですけど、会場が素晴らしくて、お客さまに楽しませていただいて。悔し涙というよりはホッとした気持ちの方が大きいです。コンディションも。

収穫。過去には負傷で棄権したこともあるんですけど今回は絶対に出たいと思ったし、どういう状況でも気持ちを強く持って演技をすれば、後悔のない演技ができることが分かりました。今後に生かしていきたい」

SPでは坂本花織が首位で、河辺愛菜が2位。自身は7位と出遅れて「坂本選手、河辺選手が、いい演技をしていた中で情けないなという気持ちが強かった。それでも強い気持ちを持って戦い、メンタルは強くなったと思います」と忘れられない経験をしたことは大きい。

右足痛については「練習できないほどではないです」と気丈に語り「(月末の第6戦)ロシア杯までには今まで通りの構成に戻したいし、戻せるとも思っています」と力を込める「もう1戦、出させてもらえるので切り替えたい」と2週間後へ気持ちを向けた。【木下淳】