ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が3年ぶりの優勝を飾り、18年以来となるGPファイナル(12月、大阪)進出を決めた。

フリーもトップの187・57点を記録し、合計290・15点。冒頭で4回転ループ、続く4回転サルコーも着氷。演技終盤は4回転フリップが2回転になるミスもあり、演技後は首を横に傾けながら場内の拍手を聞いた。場内インタビューでは「ようやく世界のトップと競い合う存在に戻ってこられた」と笑顔を見せた。

結果以上に「成長」を求めたフリーだった。前日12日のSPでは4回転トーループを着氷後、3回転の予定だった2つ目のトーループを2回転にとどめた。「今はまとめにいく時期じゃないと分かっていながら、1つ目のジャンプの少しのブレから、挑む気持ちが足りなかった」。国際スケート連盟(ISU)公認大会では3年ぶりの100点超えでも反省が口をついた。

18年平昌五輪銀メダルから、まもなく4年。コーチ変更で拠点をスイスに移すなど環境は変わった。19年は4年連続表彰台に上がっていたGPファイナルを逃す経験もした。宇野はSP後にも「今シーズンは成長できる、世界のトップで戦えるシーズンにしたいと、本当に思っています」と誓っていた。戦いは次のステージに移る。