ショートプログラム(SP)11位の横井ゆは菜(21=中京大)は124・61点、合計176・93点で大会を終えた。

ロックバンド「クイーン」のメドレーに乗って、持ち味の笑顔が印象的に、力強さも感じさせながら滑りきった。ジャンプのミスも1回に収めた。「昨日と同じにはなるんですけど、笑顔で滑るということは唯一私ができること。それを最後まで貫き通して、そのおかげか分からないですけど、無駄な力が抜けて最後までやり抜けて良かった」と振り返った。

演技後には涙が止まらなくなった。明かしたのは進退の悩み。「やっぱり、この年齢になって、スケートを競技を続けることが長くはないのは自覚しながら過ごす日々なんですけど…。やっぱり良い結果が残せないと、『このままやっていてもいいのかな』という気持ちにもなったりして、そんなことばかりなんですけど…。なので、今日これが最後の演技になっても構わないというような今までとは違った気持ちの持ち方で今日は臨みました」。込み上げる思いを抑えながら、言葉をつないだ。

この日は観客からの大きな拍手ももらった。「やっぱり納得した演技できた時は心の底からうれしいですし、そういう瞬間があるから続けているのかなとも思います。今日良い演技が出来たおかげで、また次、こういう思いが出来るように頑張ろうと思えたので良かったです」と前を向けた。

次戦は年末の全日本選手権を予定する。「ショートで自信をつけること。いっつもいっつも失敗して、出遅れて切羽詰まった状況でフリーを迎えることを続けている。構成を落としたとしてもミスなくやりきれるような演技を目指して、ショートで良かったと思えるように全日本まで練習したい」と課題を挙げた。【グルノーブル(フランス)松本愛香通信員】