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今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2021年10月2日
2021年10月2日

21年10月2日、フィギュアスケート・カーニバル・オン・アイスで演技する山本草太。

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プレーバック

全日本選手権(2001年)

村主章枝、竹内洋輔が02年ソルトレークシティー五輪(オリンピック)代表に内定

女子シングルで村主章枝(すぐり・ふみえ、20=早大)が最後1枚の五輪切符を手にした。前日のショートプログラム(SP)に続き、フリーも1位。2大会連続3度目の優勝で初の五輪代表に内定した。長野五輪出場の荒川静香(19=早大)は2位で五輪出場を逃した。また、男子シングルは竹内洋輔(22=法大)がSP3位から逆転優勝し、同じく内定した。

【村主】

5年越しの熱い思いが自然と込み上げてきた。最後にスピンを残し、村主は感極まって涙した。4年前には、SP首位からフリーで自滅。五輪を逃した。リンクを上がるなり、佐藤信夫コーチに飛びついた。電光掲示板の得点で優勝を確認すると、また涙があふれた。「感情にもろくて、滑りながら泣いている人なんていないですよね」。

長野五輪を逃してから苦難の連続だった。父信孝さんは「3年前に足首をけがしたが、テーピングでこらえている」と話した。手術の可能性もあったが、だましながら五輪を目指す道を選んだ。コーチも変えた。昨季の世界選手権で7位に入り、日本の出場枠を2に増やしたが、今月のNHK杯で恩田美栄(19=東海学園大)に先に内定を決められた。そのたびにコーチ、家族、振付師らに支えられ、乗り越えてきた。「今日は多くの人のために滑れた」と感謝した。

NHK杯、前日SPは出だしの3回転ルッツで転倒していた。だがこの日は鮮やかだった。最初の3回転ルッツと2回転トーループのコンビネーション、次の3回転フリップも成功。日本スケート連盟の城田憲子強化部長が「村主の立ち直りは五輪にもつながる。6位以内に入る力がある」と評価をする演技だった。

手にした初の五輪。「人々の中にいつまでも残るマスターピース(最高傑作)と呼ばれる演技をしたい」とあこがれの舞台へ思いをはせた。

【竹内】

満足いく演技ではなかった。竹内は開始直後の4回転トーループを初めて完全に成功させた。だが、その後は高得点を意識し「気持ちが後ろ向きになってしまった」。3回転半ジャンプに2度挑んだが、いずれも失敗。逆転で3大会ぶり2度目の優勝も「後味が悪い」優勝だった。

それでも映画「ターザン」の曲に乗せた、コミカルかつ技術レベルの高い構成は参加選手の中で群を抜く完成度だった。昨季、世界的名コーチのタチアナ・タラソワ氏にビデオを送りつけて、押し掛け弟子入り。表現力をぐんと成長させた。「結果が出なくて謝ってばかりだった。いい報告ができる」とうれしそうだ。

今季限りでアマ引退を考えている。これが最初で最後の五輪になる可能性が高い。法大で1年後輩の本田とともに日本男子シングル初の入賞を狙う。


今日の出来事

15歳紀平梨花が女子史上初の3回転半-3回転トーループ成功

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