女子フリーで22年北京五輪を目指す紀平梨花(15=関大KFSC)がシニアを含めて女子史上初の大技を成功させた。冒頭でトリプルアクセル(3回転半)と3回転トーループの連続ジャンプを国際スケート連盟(ISU)公認大会で初めて決め、フリー125・63点の合計192・45点で2年連続の4位に入った。

 ロシア5選手に囲まれた大舞台で、紀平が爪痕を残した。冒頭の連続ジャンプ。3回転半-3回転トーループの大技を決めると会場が沸いた。「ちゃんと入っている(成功している)か不安だったけれど、加点がたくさんついてすごくうれしかった」。3回転半が代名詞だった浅田真央さんの自己最高と全く同じ1・86点の加点を導きながら「(浅田さんは)まだまだ遠い存在」と目を輝かせた。

 宮原、本田真凜らと同門の中学3年生は小学校低学年の頃、大阪の大会で一ファンとして浅田さんへ手紙とプレゼントを贈った。2本目の3回転半は空中でほどけた。憧れの先輩しか達成していない2度の3回転半成功は逃したが、トリプルアクセルへの意識はプログラム全体の「6割ぐらい」と強くこだわる。次なる照準は21日開幕の全日本選手権。18年平昌五輪は年齢制限で出場できないが、シニアに交じっての力試しで成長スピードを加速させる。

 ◆女子の3回転半 ISU公認大会では89年世界選手権で伊藤みどりが史上初めて単発で決めた。さらに浅田真央が08年GPファイナルでは1つのプログラムで初めて3回転半を2度成功し、10年バンクーバー五輪ではSP、フリーを合わせて史上初めて計3度の3回転半を決めた。浅田の2連続ジャンプは3回転半-2回転トーループだったが、紀平の3回転半-3回転トーループは基礎点だけで12・80点の大技。