カーリングの北京オリンピック(五輪)最終予選が5日、オランダ・レーワルデンで開幕する。日本はまだ男子、女子、混合ダブルスの3種目とも五輪切符を得ておらず、いずれも今大会で最後のチャンスに懸ける。

男女の4人制(11~18日)に先駆け、まずは混合ダブルスからスタート。日本は松村千秋(29=中部電力)と谷田康真(27=コンサドーレ)のペアが出場する。この種目は14チームがラスト2枚の切符を懸けて争う狭き門。1次リーグは7チームずつの2組に分かれ、世界ランキング12位の日本は同5位米国、同8位韓国、同11位フィンランドなどと同じ組で争う。

グループで上位3位以内に入り、変則方式の決勝トーナメントに進出することが最初の関門となる。難敵がひしめく中で、熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられることになりそうだが、松村千は「1試合ずつ積み重ねて行けばチャンスはある」。目の前の1戦1戦に集中していく構えだ。

ランキングではグループ最上位にあたる米国との初戦を皮切りに、1次リーグ前半の日本は1日2試合をこなす日程が組まれた。谷田は、「ここで勝ち星を重ねないとチャンスが減っていく。集中力を高くして大会に入りたい」と気持ちを引き締める。

8日までの4日間で1次リーグ6試合を行い、五輪切符の行方が決まるトーナメントは最終日の9日に実施される。

松村千はショットの正確性に加え、4人制では司令塔役のスキップの経験も持ち、ラインや氷の読みにも定評がある。谷田は氷をはいて伸びを調整するスイープ力も持ち味のひとつで、松村千は「どこまでも石を持ってってくれそう」と全幅の信頼を置く。2人が息を合わせ、この種目では日本勢初の五輪出場を目指す。

 

◆混合ダブルス北京五輪への道 北京五輪には10チームが出場。今年5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権には今年の日本選手権優勝の吉田夕梨花と松村雄太のペアが日本代表として臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。その後に日本代表決定戦を制した松村千秋、谷田康真組は、14チームが出場する北京最終予選で最後の2枠を争う。

 

<松村千、谷田組のここまでの道のり>

20年日本選手権優勝の松村千秋(中部電力)谷田康真(コンサドーレ)組は、今年2月の日本選手権も制して連覇していれば日本代表に決まるはずだったが、決勝で松村の兄にあたる松村雄太(コンサドーレ)と吉田夕梨花(ロコ・ソラーレ)のペアに屈することに。その結果、今年9月の日本代表決定戦での再戦が決まった。

竹田智子、竹田直将組(名寄協会)も含めた3チームで争われた日本代表決定戦。2日間の1次リーグを終え、最終日の決定戦には松村千、谷田組と吉田夕、松村雄組が進出した。1次リーグの直接対決は1勝1敗。その成績を持ち越して行われる決定戦は、まずは松村千、谷田組が7-5で制して王手をかけ、続く試合も8-7で接戦を制して通算4勝1敗で日本代表の座を獲得。きょうだい対決にも注目が集まっていた中で、妹のペアが兄のペアを破った。

 

<カーリング混合ダブルスアラカルト>

◆主要ルール 男女1人ずつの2人1組で行う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドごとのストーンの数は1チーム6個。そのうち1つはあらかじめ所定の位置に置かれるため、1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。投げる順番は各エンドごとに交代することも可能。

◆パワープレー 後攻チームは1試合に1度、「パワープレー」を選択可能。通常はセンターライン上に配置されるストーンを、左右いずれかにずらした状態でエンドが始まる。センターが空いた状態となるため、ハウス内中心にストーンを置きやすくなり、複数点を取るチャンスが拡大する。

◆五輪種目 五輪には前回の平昌大会から採用され、決勝でカナダがスイスを下して金メダルを獲得。3位はノルウェーだった。日本は出場権を獲得できなかった。