日本オリンピック委員会(JOC)は11日、同会が実施するトップアスリート引退後のセカンドキャリア支援「アスナビNEXT」を活用した、初の進学が決まったと発表した。

バレーボール女子のVリーグ1部(V1)東レ・アローズで昨季までプレーしていた伊藤望(27)で、聖徳大短大部保育科第一部(千葉・松戸市)に今月1日付で入学した。

進学先情報の提供やキャリアカウンセリング、勉強会の実施、各種提出書類の記述指南等で「アスナビNEXT」の後押しを受けたという。

伊藤は13年3月に出身地である長崎・佐世保市の九州文化学園高を卒業後、東レに入団。昨年6月に現役引退が発表された。世代別の日本代表としては13年世界U23選手権3位、17年のアジアU23選手権で金メダルを獲得した。

進学決定に際して「このたび『アスナビNEXT』を活用し、聖徳大学短期大学部教育学部児童学科へ入学することとなりました。もともと子供が好きでしたが、スポーツを通して子供たちと接していく中で、たくさんの子どもたちと触れ合いたい、何か自分も役に立てるようになりたいと考えるようになりました。そのために専門知識をつけ、仕事として関わりたいと思い資料を取り寄せ、オープンキャンパスに参加した結果、聖徳短期大学を志望することを決めました。将来は職場の先生方とのチームワークを大切にしながら、子供たちに精いっぱい向き合って行きたいと思います」とコメントした。

同制度は、トップアスリートが現役を引退し次のステージへスムーズに移行するための支援制度。インターンシップ、就職だけでなく進学、資格取得等のさまざまな選択肢を提供しており、進学支援は初の事例となる。

JOCは「今回、相談者本人にどのようなキャリアプランを築きたいかヒアリングを行い、相談内容を踏まえ、就職ではなく進学という選択肢を提案した。また、方向性が決まった後、進学先の情報提供や入学に向けた提出書類の記述指南等を行った。JOCでは今後もトップアスリートが次のステージへスムーズに移行できるための支援を行っていきたい」と報告した。