全仏13度の優勝を誇る赤土の王者、世界5位のラファエル・ナダル(35=スペイン)と、世界王者ノバク・ジョコビッチ(35=セルビア)の準々決勝は、ナダルに軍配が上がった。

男子の史上最多、59回目の対戦は、4時間12分の接戦の末、6-2、4-6、6-2、7-6でナダルに軍配が上がった。ナダルは6年連続15度目の4強入りだ。準決勝では、同3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。

マッチポイントで、ナダルがバックをたたき込むと、会場が割れんばかりの歓声に包まれた。「忘れられない夜になった」。午後9時3分に始まった試合は、日付をまたいだ深夜午前1時15分に終了。しかし、超満員のセンターコートは、誰も席を立たなかった。

調子が上がらないジョコビッチのミスにつけ込み、ナダルが一気に仕掛けた。第1セットを先取し、第2セットも3-0とリードした。しかし、ジョコビッチに逆転され、1セットオールに追いつかれた。

それでも、ジョコビッチの攻撃を、時には受け止め、時にはカウンターで逆襲。続く第3、4セットを連続で奪い、「多くの歴史をつくってきた。その戦いに、またエピソードが加わった」と、勝利を喜んだ。

3月に、胸部を疲労骨折をしていることが判明。1カ月半ほどツアーから離れた。「この数カ月、本当に苦しんだ。それだけに感情が高ぶった」。自分の庭である赤土の上で、ナダルが最高の笑顔を見せた。

◆全仏オープンテニスは、5月22日から6月5日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでライブ配信される。