ラストダンスで、思いっきりはじけた。

今大会で、現役生活を“一区切り”とする16年リオデジャネイロ、21年東京オリンピック(五輪)代表の杉原愛子(22=武庫川女大)が、床運動で13・466点をマーク。2位で現役生活に幕を下ろした。

007のテーマに乗り、最高の笑顔で、手拍子の中、最後の演技を演じきった。「悔いなくいい演技で終われた」と、最後は着地をピタッと決めた。会場に何度も手を振り、床から降りた。そこまでは笑顔だったが、多くの人に声をかけられると涙があふれた。

最期まで見届けた所属の武庫川女大のコーチともしっかりと抱き合った。「コーチには感謝の気持ちしかない。一緒に東京五輪に出られて、最後を迎えられて良かった」というと、涙が止まらなかった。

まだエキシビションなどには出場したいという。「体操の魅力を伝えていきたい」。そして、前日の予選の時と同じように、報道陣に「メディアでも、ぜひ使って下さい」と、最後まで売り込みを忘れず。最高の笑顔で去った。【吉松忠弘】

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