【ニューヨーク=吉松忠弘】4大大会男子歴代最多22回の優勝を誇る世界ランキング3位のラファエル・ナダル(36=スペイン)が敗れる波乱があった。同26位で第22シードのフランシス・ティアフォー(24=米国)に4-6、6-4、4-6、3-6の4セットで力尽きた。

明らかに動きが鈍かった。いつもなら動き回り、どんなに振り回されても球に食らいつき、カウンターで逆襲するナダルが、動きに精彩を欠いた。ウィンブルドンから腹筋のけがで悩まされ、全米前哨戦は米シンシナティ大会の1試合だけ。それも初戦敗退で、準備不足は否めなかった。

それでも「言い訳はしない。過去のケガのことを言っても、元には戻らない」と、決してけがを口にはしなかった。「彼が良くて、自分が悪かっただけ」と、正々堂々と負けを認めるのが、ナダルの潔さだ。

前日の大会7日目で、やはり世界1位のメドベージェフが4回戦で敗れた。メドベージェフは、昨年優勝したポイントを失い、12日に発表予定の最新世界ランキングで1位から陥落することが決まっている。

新たに1位の可能性があるのは、ナダル、4位のアルカラズ(スペイン)、7位のルード(ノルウェー)の3人だ。アルカラズ、ルードの2人は最低、決勝進出が条件だ。それ以外では、この日敗れたものの、ナダルの1位復帰となる。

 

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでも全コートでライブ配信される。