世界選手権(7月、カイロ)の個人で日本女子初となる金メダルを獲得した江村美咲(24=立飛ホールディングス)が3年ぶりの決勝に駒を進めた。 準々決勝で日本代表のチームメート小林かなえ(三重ク)に15-11で勝利。世界選手権の団体でともに銅メダルをつかんだ仲間との対決を制すと、準決勝では脇田樹魅(沼津信金)を15-7で退けた。

予選プールから全勝も、時には接戦に。世界選手権後の休み明けで仕上がっておらず「負荷の高い練習ができているわけではないので。長野では道具なしのフィジカル合宿だったし、フェンシングする時間が足りなかったなと思うけど、今は今で、オフ後で状態は悪いですけど、その時のベストを出すことで成長していければ」と、世界一の女流剣士としては悪いなりにも、きっちり勝ち抜いた。

2連覇した18、19年大会以来となる3年ぶり3度目の日本一へ。世界女王となったことで「すごく嫌なプレッシャーを感じていたんですけど」と苦笑いしつつ「目標としていた決勝に進めて良かったです」と安心した。昨春、日本初のプロに転向した後では初のファイナルとなり、期待に応える11月5日の東京・LINE CUBE SHIBUYA行きを決めた。

決勝の相手は、同じく世界選手権の団体銅メンバー尾崎世梨(19=法大)になった。「考えてみれば、自分より年下の選手と決勝戦はやったことがなかったなと。若手の選手がどんどん出てきて、いい緊張感を持って練習できていますし、そこでも勝ったり負けたりの選手。実力に大きな差はない。負けず嫌いで強気な選手なので、私もそれ以上の気持ちを持って戦いたい」と3度目の頂点を見据えた。【木下淳】