女子でTリーグ初参戦となった日本生命の伊藤美誠(21=スターツ)が開幕戦白星に貢献した。第3試合のシングルスで神奈川の平野美宇(22)に3-1で勝利。チームは4-0で勝ち点4を刻み、5連覇へ好発進した。男子は昨季2位の彩たまが前回王者の東京に3-2で勝利。世界ランク530位の英田(あいだ)理志(29)が、同5位ウーゴ・カルデラノ(26=ブラジル)から金星を挙げた。

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拳を振り、伊藤が初勝利をかみしめた。同い年の平野とのライバル対決。第1ゲーム(G)を7-11で落とし、追いついて迎えた第3Gだった。10-8からの大事な得点をつかみ「すごく良かった」と笑った。気持ちは挑戦者。大切な開幕戦を制して「日本人選手は特に(自分に対して)向かってくる。それをさらに上回りたい」と言い切った。

5季目で初めてのTリーグ参戦を決めた。大きな要因は24年パリ五輪代表選考。世界ランク上位を求められた東京五輪前と異なり、国際大会はもちろん、国内選考会、Tリーグも1勝1点とポイントの対象になった。試合前時点で首位の早田ひな(115点)を追う2位(85点)だが、3位で83点の長崎美柚とは2点差。現状を「早田選手以外、2位からは(差が)近い。1点1点が大事になってくる」と冷静に分析する。

ベンチには16年リオデジャネイロ五輪代表監督で、ともに団体銅メダルをつかんだ村上恭和総監督(64)がいた。間近で見守られるのは五輪以来、6年ぶり。伊藤は「村上さんのうなずきは落ち着くなと思いました」と笑い、観衆を見つめて「他の地域の試合にも、いろいろな方が見に来てくださるように頑張りたい」と誓った。伊藤も、仲間も、ファンも楽しみなシーズンが始まった。【松本航】

◆Tリーグ 5季目の今季は男子4チーム、女子は新規参入の京都を加えた6チームで構成。男子は21試合を行い、リーグ上位2チームが来年3月25、26日の決勝に進出。女子は20試合を経て、2位-3位で準決勝(同21日)。勝者がリーグ1位との決勝に臨み、優勝を決める。試合は第1試合がダブルス、2~4試合目がシングルス。2-2となれば1ゲームのビクトリーマッチ(シングルス)で勝敗を決める。勝ち点は4-0が4、3-1が3、3-2が3となり、敗戦は0だが、ビクトリーマッチで敗れると1が与えられる。

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