シニア9年目の大庭雅(27=東海東京FH)が、11度目の全日本選手権(12月、大阪)出場に前進した。

SP3位で迎えたフリーは5位の104・32点にとどまり、合計166・36点。4位で西日本選手権(10月27~30日、京都)へ進出した。2回転トーループを多く繰り返したことで、得点にカウントされないミスもあり「悔しい気持ちが大きい。試合に向けての練習が本当に良かった。自信を持ってくることができたのに、ミスがたくさん出た。悔しいです」と素直な思いを言葉で表現した。

スケーターとして「ベテラン」の立ち位置となっても、新たな挑戦を続けている。

今季のフリー「Aesthetic」の振付師の欄には「大庭雅/安藤美姫」とある。

「今までと違って、自分がプログラムを考えて、振り付けを美姫ちゃんにお願いしました。本当に『共同作業』。今回は自分と美姫ちゃんの意見、両方を合わせました。ジャンプの構成、コレオ(シークエンス)だったりを自分で作って、振り付け、表現、体の使い方で、美姫ちゃんにアドバイスをもらいました」

「引退」がよぎる年齢。2年前には西日本選手権で21位とふるわず、全日本選手権に進めなかった。

「本当はそこで『競技生活が終わるのかな』と思っていたけれど、自分の中ですごく悔いがあった。『もう1年やりたいです』ってお願いをして、昨季はご褒美でもらえたシーズン。そこでいい結果が出せたので、今年もやらせてもらえる環境をいただけた。自分の中でも、まだまだできると感じています」

次のターゲットとなる西日本選手権は、シード選手を除いた上位7人に入ることで全日本切符が手に入る。簡単なハードルではない分、気を引き締めている。

「レベルも上がっている。まずは11回目の全日本に出場するのが、一番の目標です」

こだわりのプログラムとともに、大舞台へと歩を進める。【松本航】