今年1月の4大陸選手権でジュニアながら銅メダルを獲得し、今季シニア本格挑戦1年目の三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)も、世界初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)成功者イリア・マリニン(17=米国)に感嘆した。

ともに日本代表として練習参加した宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が「刺激を受けた」と語った取材の次に報道対応。練習で4回転ジャンプ全6種7本を試した1学年上のマリニンについて「訳、分からなかったです」と苦笑いした。

「4A(4回転半)もそうですけど、全部が4回転で。さっき本人に聞いたら『初めて7本、入れた』って言ってて。格の差を見せつけられましたね。もう負けたくないというより、はぁ~って、あきれるような感じでした。自分は少しずつ、自分のペースで上げていけたら」

今大会には、盟友である鍵山優真(19=オリエンタルバイオ/中京大)の左足首負傷欠場を受けてスクランブル出場することが5日に発表された。

出場していた東京選手権が終わった翌3日の朝に連絡があったといい「先生から電話があって『何かな、眠いな』って目をこすっていたら『んんん!』って(背筋を伸ばす動き)。何で…と思ってたら、優真がけがで。そこからの1週間、早かったですけど、頑張って準備してきました」と笑顔で経緯を説明した。

SNSにも投稿していた通り、鍵山から連絡があったといい「マジ出られなくてゴメン…。あと、ホントに無理だけはしないで。けがされたら、俺にまで責任が…」と神妙な様子だったという。その話を聞いた後に「出ることを決めました」と一気に火がついた。

急きょの代役とはいえ、チャンス。ジャパンオープンのイメージについて聞かれると「ここからシーズン始まるんだな、と。(日米欧)各地域の選手が、こうやって団体戦として競っている大会のイメージ。選ばれてうれしい」と、トップ選手が立ってきたフリー対決への思いを語り「これからシーズンに入っていく前に、いい経験となる機会。自分に集中して、できることを頑張りたい」と気合を言葉に込めた。【木下淳】